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収納は「広さ」ではなく「置き場所」で決まる|秋田の工務店代表として

冬の道具は、どこにしまっていますか。秋田で建築家と建てる家、収納を「広さ」ではなく「置き場所」で考える

こんにちは。あしたのいえの船尾です。

10月も下旬に入りました。この時期になると、物置や車庫の奥から冬の道具を引っぱり出す作業が始まります。スタッドレスタイヤ、雪かきのスコップ、灯油のポリタンク、玄関マット。秋田で暮らしていると、毎年決まってこの入れ替えがやってきます。

打ち合わせの席でも「収納はどれくらい取ればいいですか」というご質問をよくいただきます。たいてい広さの話として伺うのですが、正直に申し上げると、片づく家とそうでない家を分けているのは広さではないと私は思っています。

今日は秋田で冬を越す家について、収納は「広さ」ではなく「置き場所」で決まるという考え方をお伝えしたいと思います。

この記事のポイント

  • 秋田市の平年値では、雪の降る日が11月に7.7日、12月に24.8日、1月に28.7日あります
  • 収納が足りないと感じる原因の多くは、量そのものではなく、使う場所から遠いことにあります
  • 冬の道具は玄関まわりに集まります。土間は靴をしまうだけの場所ではありません
  • 暖房器具と燃料の置き場所は安全にも関わります。間取りと一緒に決めておきたい部分です

片づかない家は、収納が足りないからでしょうか

家づくりのご相談で、いちばんよく伺うのが「今の家は収納が足りない」というお話です。ですから新しい家では収納を増やしたい、と続きます。ごもっともなご要望だと思います。

ところがお引き渡しから何年か経ったお宅に伺うと、収納はあるのに物が外に出ている、という場面に出会うことがあります。納戸は空いているのに、ダイニングの椅子に上着がかかっている。足りないのは容積ではなく、使う場所のそばにある置き場所です。

人は、しまう手間がひとつ増えるだけで、しまわなくなります。二階の納戸や階段下の奥まった棚は、季節の品物には向いていても、毎日触れるものには遠すぎます。遠い収納は、使われないまま容積だけが残ります。

ですので設計では、広さから入らずに「何を」「どこで使うか」から逆算します。上着はどこで脱ぐのか、掃除機はどの階で使うのか、書類はどこで書くのか。順番を変えるだけで、同じ床面積でも片づく家に近づきます。

秋田の家では、冬の道具がどこに集まりますか

まず数字を確かめておきます。気象庁が公表している秋田(秋田市)の平年値(1991〜2020年)では、雪の降る日数が11月に7.7日、12月に24.8日、1月に28.7日です(2026年10月19日に公式サイトで確認)。降雪の深さの合計も、11月に6cm、12月に58cm、1月に100cmと積み上がります。

つまり1月は、ほとんど毎日どこかで雪が降っている計算になります。冬の道具は押し入れの奥にしまい込むものではなく、11月から3月まで半年近く現役で使う道具だということです。

では現役の道具はどこで使われるか。スコップ、スノーダンプ、長靴、融雪剤、車の雪下ろし棒、灯油のポリタンク、厚手のコート。すべて「外から帰ってきた動線の上」で手に取るものです。駐車場と玄関のあいだ、そして玄関そのものに集まります。

ここが秋田の家の収納で、いちばん足りなくなるところです。図面の上では玄関収納は小さな四角にすぎませんが、実際には冬の半年間、この四角がいちばん働きます。

もうひとつ申し上げておきたいのが、駐車場から玄関までのあいだです。ここに屋根がかかっているかどうかで、置ける物の種類が変わります。屋根があれば、スコップや融雪剤は外に出したままにできます。屋根がなければ、同じ物を室内に入れる前提で場所を用意しなければなりません。敷地のどこに車を停めるかという話が、そのまま室内の収納量に跳ね返ってくるわけです。

玄関は、靴をしまうだけの場所でしょうか

そこで私たちがご提案することが多いのが、玄関につながる土間の収納です。いわゆるシューズクロークですが、秋田では靴だけの場所と考えないほうがうまくいきます。

大事なのは広さよりも三つの条件です。土足のまま入れること、濡れたまま置けること、風が通ること。雪のついたものを室内に持ち込まずに置ける場所があるかどうかで、冬の家の中の散らかり方がまるで変わります。

もうひとつは抜け方です。駐車場から土間へ入り、そのまま洗面へ抜けられるかどうか。帰宅して手を洗うまでの数歩のあいだに、上着も荷物も置き場所がある。この順番がそろっていると、片づけは意識しなくても成立します。家事の動線についてはあらためて書いたことがありますので、そちらもご覧ください。

逆に、広ければよいというものでもありません。奥行きが深すぎる棚は手前にしか物が置かれなくなりますし、固定の棚は背の高い道具を受け止められません。可動の棚にして、土間の幅を優先する。この判断は、ご家族の持ち物を伺ってからでないと決められない部分です。

ストーブと灯油は、どこに置くのが安全でしょうか

収納の話は、安全の話にもつながります。秋田市消防本部は「住宅防火 いのちを守る10のポイント」のなかで、死者の発生した住宅火災の主な原因として、たばこ、ストーブ、こんろを挙げています。冬に使う道具が、そのまま注意すべき対象になっているわけです。

家が建ってから「置ける場所がここしかない」となると、暖房機器のまわりに洗濯物や段ボールが寄ってきます。これは住まい方の問題というより、置き場所を決めないまま暮らしが始まってしまった結果だと思っています。

ですから設計の段階で、暖房機器のまわりに何も置かない余白を確保しておきます。燃料をどこに保管するか、どの動線で運ぶか、運んだあとの空の容器をどこに戻すか。ここまで決めておくと、冬のあいだ物が機器のそばに寄ってこなくなります。

暖房そのものの考え方は前回の記事でお伝えしました。機器を選ぶより先に、置く場所と暖める範囲を間取りと一緒に決める、という話です。収納はその裏返しで、置かないための場所をつくる仕事だと考えています。

一年に一度しか使わないものに、場所をあてるべきでしょうか

ここまでは毎日使うものの話でしたが、収納で場所を取るのは、むしろ年に一度か二度しか出番のないものです。扇風機と暖房機器、季節の飾り、レジャーの道具、そしてタイヤ。秋田では、このタイヤの置き場所をどうするかが実際によく話題になります。

年に一度のものは、使う場所から遠くてかまいません。かわりに見ていただきたいのは入れ替え1回あたりの手間です。脚立がないと届かない棚、手前の物をどけないと出せない奥行き、重い物を持って上る階段。ここに無理があると、入れ替えそのものが面倒になり、結局出しっぱなしになります。

タイヤについて申し上げれば、年に二度、重いものを運ぶ作業です。しまう場所が車から遠いほど、またぎ段差が多いほど、その二度がおっくうになります。車庫の一角に置くのか、土間の奥に棚を立てるのか、外部の物置に出すのか。どれが正解ということはありませんが、決めずに家が建つと、たいてい玄関のすみに積まれることになります。

容積で考えると「大きな納戸をひとつ」になりますが、手間で考えると「浅い棚をいくつか」になることが多いものです。どちらが正しいということではなく、ご家族が何をどれだけ入れ替えるかで決まります。これも図面の前に伺っておきたいことです。

制度の話も事実としてお伝えしておきます。みらいエコ住宅2026事業では、注文住宅の新築について交付申請の予約が遅くとも2026年11月16日まで、交付申請が遅くとも2026年12月31日までと示されています(いずれも予算上限に達した場合は当該時点まで/2026年10月19日に確認)。住宅の区分によって期限は異なり、すでに受付を終えている区分もあります。【フラット35】の金利は2026年10月資金受取分で年3.830%でした。ただ順番は崩さないほうがよいと思っています。まずご自身の入居したい時期を決めて、そのうえで使える制度があれば使う。期限に合わせて急いだ結果、打ち合わせが足りないまま着工するよりは、そのほうがよい家になります。

収納の使い勝手は、完成した家で確かめられるでしょうか

ここまで図面の話を続けてきましたが、収納ほど言葉で伝わりにくいものはありません。「土間収納3畳」と書かれていても、そこに何が置けるのかは想像しにくいものです。立って、手を伸ばして、はじめて分かります。

その入り口として、私たちの分譲住宅をご覧いただくことがあります。注文住宅の会社がつくる分譲住宅ですので、注文住宅と同じ設計の考え方、同じ標準仕様でつくっています。完成した家に入って、玄関土間の幅や棚の高さ、そこから洗面へ抜けるまでの歩数を確かめていただけます。

施工事例やお客様の声も公開していますので、どんな間取りでどのように収めているかは、そちらでもご覧いただけます。

ただ、分譲住宅をご覧いただくのは、あくまで体感のための入り口です。そこで見えてきた「自分ならここをこうしたい」を形にしていくのは、やはり注文住宅のご相談になります。ご覧いただいたあとに図面の前に座っていただくところまでが、一続きだと思っています。

まとめ:収納は「広さ」ではなく「置き場所」で決まる

収納の話から始めましたが、お伝えしたかったのは畳数の話ではありません。どこで使うものを、どこに置くか。それを間取りを描いている段階で決めてあるかどうか、ということです。

秋田の冬は、雪の降る日が1月には月の大半に及びます。道具は半年近く現役で、しかもそのほとんどが玄関まわりに集まります。だからこの地域では、玄関と土間にどれだけ手を入れられたかが、冬の暮らしやすさをかなり決めてしまいます。

そして収納は、あとから足せるものと足せないものがはっきり分かれる部分でもあります。棚や引き出しは家具で補えますが、土間の広さや開口の位置は、暮らし始めてからでは動かせません。ご予算を調整する場面でも、この順番だけは先に決めておいていただきたいと思っています。

まだ土地が決まっていない段階でも、間取りを描き始める前のご相談でもかまいません。秋田市・潟上市・能代市で家づくりをお考えの方は、どうぞお気軽にお声がけください。

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あしたのいえ(秋田セントラル不動産株式会社)について

秋田市保戸野を拠点に、不動産の売買・仲介から注文住宅、分譲住宅、中古リノベーション、リフォームまでを手がけています。注文住宅ブランド「あしたのいえ」では、建築家と対話を重ねながら、ご家族ごとに違う暮らしの形を住まいにしていきます。対応エリアは秋田市を中心に潟上市・能代市などです。

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よくいただくご質問

Q. 収納はどれくらいの広さを取れば足りますか。

A. 広さだけでは決まりません。同じ畳数でも、使う場所のそばにあるかどうかで使われ方がまったく変わります。私たちは何をどこで使うかを先に伺い、そこから置き場所を割り当てていきます。上着を脱ぐ場所、掃除機を使う階、書類を書く場所。順番を変えるだけで、同じ床面積でも片づく家に近づきます。

Q. 玄関の土間収納は、どれくらいの広さが必要でしょうか。

A. 広さよりも三つの条件を先に見てください。土足のまま入れること、濡れたまま置けること、風が通ること。秋田では雪のついたものを室内に持ち込まずに置ける場所があるかどうかで、冬の散らかり方が変わります。奥行きを深くするより、土間の幅と可動の棚を優先したほうが使いやすいことが多いです。

Q. 灯油やストーブは、家のどこに置くのがよいでしょうか。

A. 秋田市消防本部は、死者の発生した住宅火災の主な原因としてたばこ、ストーブ、こんろを挙げています。機器のまわりに物が寄ってこないよう、設計の段階で何も置かない余白を確保しておくことをおすすめします。燃料をどこに保管し、どの動線で運び、空の容器をどこへ戻すかまで決めておくと無理がありません。

Q. 予算を調整するとき、収納は削ってよいのでしょうか。

A. 造作の棚や引き出しは、あとから家具で補えることもあります。一方で土間の広さや開口の位置は、暮らし始めてからの変更が難しい部分です。ですので削る順番としては、動かせないものを先に決め、あとから足せるものを後回しにする、という考え方でご相談しています。足す順番を決めておけば、同じ予算でも納得が残ります。

Q. 収納の使い勝手は、完成した家で確かめられますか。

A. できます。私たちの分譲住宅は、注文住宅の会社がつくる分譲住宅です。注文住宅と同じ設計の考え方、同じ標準仕様でつくっていますので、玄関土間の幅や棚の高さ、そこから洗面へ抜けるまでの歩数を実際に確かめていただけます。そこで見えてきたご希望は、あらためて注文住宅のご相談で形にしていきます。

参考にした公的情報

※気温・降雪・雪日数は気象庁が公表している秋田の平年値(1991〜2020年)です。防火に関する記載は秋田市消防本部の案内によります。金利・制度の内容は確認日時点のものです。実際の金利や諸費用はお借入先により異なり、お手続きの期限は必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。

あしたのいえ 秋田セントラル不動産株式会社 船尾 教司

この記事を書いた人

船尾 教司/秋田セントラル不動産株式会社「あしたのいえ」代表取締役

建築家と建てる家=注文住宅を中心に、不動産売買から分譲住宅・リフォームまで地域密着で取り組んでいます。会社概要はこちら/ブログ一覧はこちら

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