こんにちは。あしたのいえの船尾です。
九月に入って、土地のご相談が目に見えて増えてきました。夏のあいだに「そろそろ家を」と話し合われたご家族が、涼しくなって実際に動き出される。毎年この時期に起きることです。
そのなかで、いちばん多くいただく質問がこれです。「土地は、どのエリアで探せばいいんでしょうか」。秋田市のつもりだったけれど潟上市や能代市も見たほうがいいのか、実家の近くにするか通勤を優先するか。皆さん、同じところで立ち止まられます。
正直に申し上げると、この質問に「このエリアが正解です」とはお答えできません。ご家族によって答えが変わるからです。ただ、どう考えれば自分たちの答えにたどり着けるか、その道筋ならお伝えできます。

この記事のポイント
- エリアは「どこが良いか」ではなく、ご家族が譲れない条件を三つに絞ることから決まります。順番を逆にすると迷いが長引きます。
- 秋田市・潟上市・能代市では、土地の価格帯も探し方も暮らし方も変わります。同じ物差しで比べないことが大切です。
- エリアが変われば土地そのものの見方も変わります。地形・水はけ・接道・上下水道は、必ず現地で一緒に確かめます。
- 制度や金利は動きますが、まずご自身の時間軸を決めて、そのうえで使えるものがあれば使う。この順番は変えないでください。
目次
- なぜ今、土地探しのご相談が増えているのでしょうか
- エリアを決めるとき、最初に何を決めればよいのでしょうか
- 秋田市で土地を探すとき、私たちは何を見ているのでしょうか
- 潟上市で探すという選択は、どんな方に向いているのでしょうか
- 能代市で土地を探す場合、何が変わってくるのでしょうか
- エリアが違うと、土地そのものの見方はどう変わるのでしょうか
- 土地が決まったあと、建築家と建てる家はどう進むのでしょうか
- まとめ:エリアは、暮らしの優先順位が決めてくれます
なぜ今、土地探しのご相談が増えているのでしょうか

季節の要因が大きいと思います。秋田の夏は年々厳しくなっていて、暑いさなかに現地を歩き回るのは正直しんどい。涼しくなって、ようやく土地を見に行けるようになる。毎年のことです。
もうひとつ、お金の話も背中を押しているように見えます。長期固定の住宅ローン【フラット35】の金利は、2026年9月実行分で最低が年3.460%となりました。8月が年3.290%でしたから、ひと月で0.17ポイント上がったことになります。これは住宅金融支援機構の公式サイトで毎月公表されている数字で、どなたでもご確認いただけます。
補助制度の話も、よくお受けします。国の「みらいエコ住宅2026事業」では、予算に対する補助金申請額の割合が公式サイトで毎日更新されていて、2026年9月7日午前0時時点で、長期優良住宅・ZEH水準住宅が28%、GX志向型住宅が55%と公表されていました。要件も受付の状況も年度によって変わりますので、必ず公式サイトでご確認ください。
土地の値段そのものも、まもなく動きが見えます。地価調査は毎年7月1日時点で行われ、秋田市の公式サイトにもあるとおり例年9月下旬に公表されます。今月末には、この一年の秋田の地価が分かるわけです。
ただ、ここでひとつだけ申し上げておきたいことがあります。金利が上がったから急ぎましょう、補助金がなくなる前に決めましょう、という言い方を私はしません。まずご自身の時間軸を決めていただく。いつごろ、どんな暮らしを始めたいのか。そのうえで、その時期に使える制度があれば使う。この順番だけは崩さないでください。制度に合わせて人生の予定を動かすと、たいてい無理が出ます。
エリアを決めるとき、最初に何を決めればよいのでしょうか

私がいつもお願いしているのは、条件を三つに絞っていただくことです。数を絞ると、迷いが減ります。
皆さん最初は、条件を十個くらい挙げられます。通勤が近い、学区が良い、実家に寄れる、買い物が便利、広い、静か、除雪が楽、日当たりが良い。どれも大事なことです。ただ、すべてを満たす土地はまず出てきません。出てきたとしても、たいへん高いか、他の誰かが先に決めています。
ですから、この中から「これが欠けたら、そこには住まない」という条件を三つだけ選んでいただきます。四つでも五つでもなく、三つです。残りは「あればうれしい」に置く。この作業をご夫婦でしていただくと、たいてい意見が割れます。でも、割れることに意味があります。お互いが何を大事にしているかが、そこで初めてはっきりするからです。
そして、この三つが決まるとエリアはかなり絞られます。「通勤時間二十分以内」が入れば範囲が決まりますし、「実家まで車で十分」が入ればもっと決まります。「土地に予算をかけすぎず、建物にまわしたい」が入れば、秋田市の中心部以外も自然に候補に入ってきます。エリアを先に決めて条件を後から当てはめるより、この順番のほうがずっと早く着地します。
逆に申し上げると、優先順位が決まらないまま物件情報だけを見続ける時間は、いちばんもったいない。比べる基準がないので決められず、半年、一年と過ぎてしまう方を何組も見てきました。
秋田市で土地を探すとき、私たちは何を見ているのでしょうか

秋田市は、ひとくちに言っても中身がかなり違います。保戸野や手形のように早くから住宅地として育ってきたところ、新屋や土崎のように独自の歴史と生活圏を持つところ、泉や仁井田、御野場のように住宅地として広がってきたところ。同じ市内でも、雰囲気も価格帯も違います。
ご相談のときにまずお聞きするのは、学区です。お子さんがいらっしゃるご家庭では、ここが決め手になることが多い。次に、通勤の経路と時間。朝の道路の混み方は場所によってまるで違います。地図の上の距離と、朝の実感は別物です。
それから、生活の動線です。土地の良し悪しは、そこで送る一日の動きで決まります。間口が広いか、駐車が切り返しなしで入るか、冬に雪を寄せる場所があるか。図面ではなく、現地で分かることです。
秋田市は選択肢が多いぶん、条件を絞らないと際限がなくなるエリアでもあります。前の章の「三つ」が効いてくるのは、まさにここです。いま扱っている土地や分譲地の状況は、土地情報と分譲地情報のページでご覧いただけます。
潟上市で探すという選択は、どんな方に向いているのでしょうか

潟上市でのご相談も、少しずつ増えています。多いのは、秋田市中心部にお勤めで、通勤は車という方です。
この選択が向いているのは、土地よりも建物に予算を寄せたいと考えている方だと思います。総額が同じなら、土地の価格帯が違えば建物にまわせる金額が変わります。その差で、断熱や耐震の仕様を落とさずに、部屋の使い方や造作を諦めずに済むことがある。私はこれを、決して小さな違いではないと思っています。
もうひとつ、土地の広さの取り方にも余裕が出やすい。駐車を二台、三台と考えたとき、庭や物置を置きたいと考えたとき、その余白の有無で暮らしは変わります。秋田の冬は雪を寄せる場所があるかどうかが毎年効きますから、余白は実用でもあります。
一方で、正直に申し上げておくべきこともあります。通勤時間は確実に長くなります。片道の十分、十五分は、毎日のことになると重みが出ます。買い物や病院の選択肢も、市内中心部とは違います。ですから潟上市を候補に入れるときは、必ず一度、平日の朝に実際の通勤経路を走ってみてくださいとお願いしています。それで「これなら大丈夫」と思えるかどうか。判断は、そこで出ます。
能代市で土地を探す場合、何が変わってくるのでしょうか

能代市は、秋田市への通勤圏として選ばれることは多くありません。ご相談の中心は、もともと能代やその周辺にお住まいの方の建て替え・住み替えと、県外から戻ってこられるUターンの方です。
この場合、エリア選びの論点が変わります。通勤時間ではなく、生活圏がその中で完結するかどうかが中心になる。勤め先、学校、買い物、病院、親御さんの家。この五つがどれくらいの距離に収まるかを、地図の上で一度描いていただくとよく見えます。
Uターンの方には、もう少し丁寧にお時間をいただきます。しばらく離れていると、記憶の中の街と今の街がずれていることがあるからです。よく行っていたお店がなくなっていたり、逆に新しく道ができていたり。暮らしのことまでご案内できるのは、地元でずっと商売をしてきたからだと思っています。
また、親御さんの土地に建てるというご相談も少なくありません。この場合は土地探しより、その土地に何がどう建つのか、旧家屋や上下水道をどうするのかを先に確かめます。順番が変わるということです。お客様の声のページに、実際に建てられた方のお話を載せています。
エリアが違うと、土地そのものの見方はどう変わるのでしょうか

ここは、私たちがいちばん時間をかけているところです。まず地形。秋田は平地に見えても、少し歩くと高低差があります。高低差があれば造成や擁壁の費用が別にかかることがあり、土地が安く見えても結果として高くつく場合がある。ですから、価格ではなく「その土地に建てるまでにかかる総額」で見てくださいとお伝えしています。
地盤も、市内でさえ場所によって条件がかなり違います。地盤改良が必要になれば費用が発生しますが、契約前にはっきり分かるものではありません。だからこそ、おおよその見込みを最初にお話ししておくようにしています。あとから「聞いていない」となるのが、いちばん良くないからです。
水の流れも見ます。秋田では毎年のように大雨が起きていて、自治体がハザードマップと浸水想定を公開しています。候補地が決まったら必ず一緒に確認します。加えて、実際の敷地で雨がどちらに流れるか、隣地との高さ関係はどうかも、現地で見て初めて分かることです。
そのほか、接道の幅と方角、上下水道の引き込みの有無、隣家の窓の位置。これらを一枚の紙に書き出し、良い点と気になる点を並べてお渡ししています。気になる点を隠して契約したことは、一度もありません。
土地が決まったあと、建築家と建てる家はどう進むのでしょうか

私たちの本筋は、建築家と建てる家、つまり注文住宅です。土地が決まったら、その土地に合わせて設計を進めていきます。
ここが、エリアの話とつながります。高低差のある土地なら、その高低差を活かせる。北向きなら、光の採り方で解決する方法がある。狭くても、駐車と動線の組み方で暮らしやすさは変わる。土地の条件は、制約であると同時に、その家だけの手がかりでもあります。既製のプランを載せるのではなく、その土地から考えられる。それが注文住宅の良さです。
性能面については、私たちは耐震等級3を標準としています。高耐震・高断熱パネルを使い、長期優良住宅の考え方に沿って進めます。火災に備えた省令準耐火構造、空気を入れ替える24時間換気も、家づくりの土台として整えています。細かい仕様はご相談の中でご説明しますが、土台の部分で妥協はしません。
お引き渡しのあとも、アプリ「マイホム」でチャットからご相談いただけるようにしています。住み始めてからのほうが、聞きたいことは増えるものです。
なお、私たちは分譲住宅も手がけています。これは注文住宅の代わりではなく、私たちの家づくりを完成した家で体感していただく入り口だと考えています。図面や言葉では伝わりにくいことが、実際の空間に立つと一度で伝わる。そこで「こういう家がいい」と思っていただけたら、そのまま注文住宅のご相談に進んでいただければと思います。これまでの家づくりは施工事例のページでご覧ください。
合わせて読みたい
まとめ:エリアは、暮らしの優先順位が決めてくれます
「どのエリアがいいですか」という問いに、私は「ご家族の優先順位が決めてくれます」とお答えしています。逃げているわけではありません。順番を逆にすると、答えが出ないからです。
譲れない条件を三つに絞る。その三つで候補のエリアを絞る。候補が出たら、平日の朝に実際に走ってみる。良さそうな土地が出たら、地形・地盤・水の流れ・接道を現地で確かめる。そして、その土地に何がどう建つのかを建物とセットで考える。この順番で進めば、迷う時間はぐっと短くなります。
金利も制度も地価も、これからも動きます。動くものに合わせて予定を決めるのではなく、ご自身の時間軸を先に決めて、そのうえで使えるものを使う。今日いちばんお伝えしたかったのは、このことです。
秋田市でも、潟上市でも、能代市でも、まずは「こんな暮らしがしたい」というところからお聞かせください。土地の話は、そのあとで大丈夫です。
あしたのいえ(秋田セントラル不動産株式会社)について
秋田市を中心に、潟上市・能代市などで、建築家と建てる家=注文住宅を手がけています。不動産の売買・仲介から分譲住宅、中古リノベーション、リフォームまで。土地探しからお引き渡し後のお付き合いまでを、少人数の体制で一貫してお手伝いしています。
私たちの4つの強み
- 建築家と建てる家……その土地とご家族に合わせて、一邸ごとに設計します。
- 確かな土台の性能……耐震等級3を標準とし、高耐震・高断熱パネルと長期優良住宅の考え方で進めます。
- 土地探しからのお手伝い……不動産会社として、土地の見極めから一緒に進められます。
- 住んでからのお付き合い……アプリ「マイホム」でチャットからご相談いただけます。
土地探しから、ご一緒させてください
まだエリアが決まっていない段階でも大丈夫です。
「こんな暮らしがしたい」というところから、お聞かせください。
よくいただくご質問
Q. 土地とプランは、どちらを先に決めるべきですか。
A. 順番はどちらでもかまいませんが、並行して進めることをおすすめしています。土地には形も高低差も接道も個性があり、同じプランがそのまま載るとは限らないためです。気になる土地が出てきた段階で、その土地に何がどう建つのかを一緒に確かめると、判断が早く、後戻りも少なくなります。
Q. 秋田市以外のエリアでも対応してもらえますか。
A. 秋田市を中心に、潟上市や能代市などでもご相談をいただいています。エリアが変わると土地の価格帯も探し方も変わりますので、まずはどのあたりで暮らしたいかをお聞かせください。分譲地情報や土地情報のページで、いま扱っている物件の状況をご覧いただけます。
Q. 土地の予算と建物の予算は、どう振り分ければよいですか。
A. 先に総額の上限を決め、そこから土地・建物・諸費用・外構に振り分ける順番をおすすめしています。土地から決めてしまうと、建物側で削るしかなくなることがあるためです。住宅ローンの金利は毎月変わりますので、資金計画は最新の数字で見直しながら進めてください。
Q. 気になる土地が出たら、すぐ決めたほうがよいのでしょうか。
A. 急かされて決める必要はありません。ただ、良い土地は動きが早いのも事実です。だからこそ、いつ暮らし始めたいかというご自身の時間軸と、判断の基準を先に決めておくことをおすすめします。基準が決まっていれば、迷う時間が短くなり、納得して選べます。
参考にした公的情報
- 住宅金融支援機構【フラット35】最新の金利情報(2026年9月7日確認)
- 国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」公式サイト(2026年9月7日確認)
- 秋田市「地価について」(2026年9月7日確認)
- 秋田県「地価調査結果」(2026年9月7日確認)
あしたのいえ 秋田セントラル不動産株式会社 船尾 教司
この記事を書いた人
船尾 教司/秋田セントラル不動産株式会社「あしたのいえ」代表取締役
建築家と建てる家=注文住宅を中心に、不動産売買から分譲住宅・リフォームまで、秋田市を拠点に地域密着で取り組んでいます。土地探しからお引き渡し後のお付き合いまでを一貫してお手伝いすることを大切にしています。会社案内はこちら/ブログ一覧はこちら