金利が上がりました。家は小さくするべきでしょうか。秋田で建築家と建てる家、予算の配分という考え方
こんにちは。あしたのいえの船尾です。
10月に入りました。現場は外部の工事が進めやすい時期で、打ち合わせにお越しになるお客様も増えてきます。そのなかで、このところ続けていただいているご質問があります。「金利が上がったようですが、家を小さくしたほうがいいでしょうか」というものです。
正直に申し上げると、この問いに「はい」とも「いいえ」とも即答はできません。ただ、お答えする順番はいつも同じです。今日はその順番、つまり予算は削るものではなく、配分するものという考え方をお伝えしたいと思います。

この記事のポイント
- 【フラット35】の2026年10月資金受取分の金利は年3.830%でした。先月から0.37ポイントの上昇です
- それでも順番は変えません。まずご自身の入居したい時期を決め、そのうえで使える制度があれば使う、という順です
- 予算を調整するときは、広さを先に、仕様をあとから。床面積は建物全体に効く部分です
- 構造と断熱は残してください。壁の中や床下に入るもので、あとから入れ替えるのが難しい部分です
金利が上がると、家づくりの予算はどう変わるのでしょうか?

はじめに、数字を確かめておきます。住宅金融支援機構の【フラット35】は、2026年10月資金受取分で、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下の最低金利が年3.830%でした(2026年10月5日に公式サイトで確認)。当社が先月確認した時点では年3.460%でしたので、0.37ポイントほど上がったことになります。
これがどのくらいの重さなのか、仮の数字で置いてみます。3,000万円を35年・元利均等でお借りした場合、年3.460%なら月々およそ12万3千円、年3.830%ならおよそ12万9千円です。差は月々およそ6,500円、35年の総額ではおよそ270万円になります。あくまで当社の試算で、実際の金利や諸費用はお借入先によって変わりますが、感覚をつかむには十分な数字だと思います。
月々6,500円と聞いて、どう受け取られたでしょうか。「思ったほどではない」と感じる方も、「毎月のことだから大きい」と感じる方もいらっしゃいます。どちらも正しい受け取り方です。申し上げたいのは、この数字は家の広さや仕様を決め直すほどの大きさとは限らない、ということです。慌てて間取りを削る前に、ご自身の家計のなかでこの差がどの位置を占めるのか、確かめていただきたいと思っています。
それでも、家づくりの順番を変えないほうがよいのはなぜでしょうか?

金利の話が出ると、どうしても「急いだほうがいいのか」「待ったほうがいいのか」という二択になりがちです。けれども私たちは、まずご自身の入居したい時期を決めて、そのうえで使える制度があれば使うという順番を崩さないようにお伝えしています。これは以前からこの連載で申し上げてきたことでもあります。
理由は単純です。時期を制度や金利に合わせてしまうと、あとから無理が出てくるからです。お子さんの進学、ご家族の仕事の都合、いま住まわれている家の事情。時期を本当に決めているのは、そうしたご家族の事情のほうです。期限に合わせて半年早めた結果、打ち合わせが足りないまま着工することになっては、せっかくの家が惜しくなってしまいます。
制度の中身も、事実としてお伝えしておきます。みらいエコ住宅2026事業では、注文住宅の新築について、予約申請が遅くとも2026年11月16日まで、交付申請(本申請)が遅くとも2026年12月31日までと示されています。いずれも予算上限に達した場合は、その時点で終了する旨が注記されています。また住宅の区分によって期限は異なり、すでに受付を終えている区分もありますので、ご自身の計画が該当するかは必ず公式サイトでご確認ください(2026年10月5日に確認)。
こう書くと期限が迫っているように見えるかもしれませんが、煽るつもりはありません。間に合うご計画なら使えばよく、間に合わないご計画なら使わずに進めればよい、という話です。制度は目的ではなく手段のひとつです。順番を逆にしないことが、あとから後悔しないいちばんの方法だと思っています。
予算を調整するなら、広さと仕様のどちらから考えるべきでしょうか?

さて、それでも予算を調整する必要が出てくることはあります。そのときに私たちがお願いしているのは、広さを先に、仕様をあとから見ていただくことです。順番を逆にすると、削ったのに金額が思うように動かない、ということが起こりやすくなります。
床面積は、建物価格の土台にあたる部分です。基礎、構造、屋根、外壁、断熱、そして内装と設備。一坪分を見直すと、その全部に少しずつ効いてきます。だから同じ金額を動かすなら、広さのほうが手数が少なくて済みます。たとえば二階の廊下の取り方を変える、洋室をひと部屋減らして広い一室にしておき、将来必要になったら仕切る。こうした整理のほうが、設備をひとつずつ下げるよりも効き方がはっきりします。
一方で仕様には、あとから入れ替えられるものと、入れ替えにくいものが混ざっています。照明器具やカーテン、家具のように、住みながら少しずつ整えていけるものもあります。そこは最初からすべて揃えなくてもよい、と申し上げることが多いです。
ただ、「広さを削る」と聞くと窮屈な家になるように感じられるかもしれません。そこは建築家と考える値打ちのあるところです。天井の高さの変化、窓からの抜け、収納のまとめ方。同じ床面積でも、広く感じる家とそう感じない家があります。数字の上の面積を減らしても、体感の広さを落とさない設計は十分に成り立ちます。
反対に、削らないほうがよいものは何でしょうか?

反対に、ここは残していただきたい、とお願いしている部分があります。構造と断熱、つまり壁の中や床下に入るものです。理由はひとつで、暮らし始めてから入れ替えるのが実際にはとても難しいからです。
私たちは耐震等級3を標準としています。高耐震・高断熱パネルを用い、長期優良住宅の考え方を土台にしています。省令準耐火構造や24時間換気も標準に据えています。これらは完成したあとの見た目にはほとんど出てきません。だからこそ、見積もりの上では最初に目が向きにくい部分でもあります。けれども住み始めてから「やはり断熱を足したい」と思っても、壁を開けるところからの工事になります。
秋田で家を建てるということは、冬の寒さと夏の暑さの両方を相手にするということです。ここを落として光熱費で払い続けるのか、最初に入れておいて毎月の負担を軽くするのか。私はここを削るご相談には、あまり賛成していません。なお省令準耐火構造は火災保険料の扱いにかかわることもありますので、保険の見積もりとあわせてご確認いただくとよいと思います。
もうひとつ、残していただきたいのは打ち合わせの時間です。費用ではありませんが、予算の配分に直接効いてきます。急いで決めた部分は、たいていあとから気になります。時間をかけて決めた部分は、金額が同じでも納得が残ります。
建築家との対話は、予算の配分にどう効くのでしょうか?

「建築家と建てると高くなるのではないか」というご質問も、よくいただきます。けれども私の実感は少し違っていて、対話を重ねて優先順位を決めていく作業そのものが、予算の配分を整える作業になっていると思っています。
公式サイトのコンセプトでは、家づくりについて「正解はありません」と書いています。「建築家とともに対話を重ねながら」「デザインと暮らしやすさを両立した長く愛せる住まい」をつくる、そして「住まう人によって、心地よい暮らしの形は異なります」という考え方です。これは理念の話に見えて、実は実務的な話です。心地よさの中身がご家族ごとに違うのなら、お金を置く場所もご家族ごとに違っていていい、ということになります。
実際の打ち合わせでは、ご要望をいったん全部お出しいただき、そのうえで順番をつけていきます。「ここは絶対」「ここはあれば嬉しい」「ここは言われてみればなくてもよかった」。この仕分けを建築家と一緒にやると、ご自身でも気づいていなかった優先順位が出てくることがあります。足し算で積み上げれば金額は必ず伸びます。足す前に順番を決めるから、同じ予算でも満足が残るのだと思います。
自然の力を活かすという考え方も予算に効きます。方位の取り方や窓の置き方で、冷暖房に頼りすぎない室内環境に近づけていく。これは設備を増やすのではなく、設計で解く部分です。費用をかけずに効かせられるところが残っている、ということでもあります。
完成した家を見てから決める、という道もあるのでしょうか?

ここまで考え方の話を続けてきましたが、図面と数字だけで判断するのは難しいものです。とくに「広さをどこまで見直せるか」は、言葉よりも体で確かめたほうが早く決まります。
その入り口として、私たちの分譲住宅をご覧いただくことがあります。注文住宅の会社がつくる分譲住宅ですので、注文住宅と同じ設計の考え方、同じ標準仕様でつくっています。完成した家に入っていただくと、天井の高さ、廊下の幅、収納の量が一度にわかります。「この広さなら足りる」「ここはもう少し欲しい」という感覚が、その場で出てきます。
ただ、分譲住宅をご覧いただくのは、あくまで体感のための入り口です。そこで見えてきた「自分ならどう住むか」を形にしていくのは、やはり注文住宅のご相談になります。ご覧いただいたあとに、あらためて図面の前に座っていただくところまでが一続きだと思っています。
まとめ:予算は削るものではなく、配分するもの
金利が上がったという話から始めましたが、お伝えしたかったのは金利の話ではありません。同じ金額をどこに置くか、という配分の話です。広さを先に、仕様をあとから。構造と断熱は残す。打ち合わせの時間も残す。そして入居したい時期はご自身で決め、制度や金利はそのあとに合わせる。順番はこれだけです。
家を小さくするべきかというご質問に、私はいつもこうお答えしています。「小さくするかどうかより、どこを残すかを先に決めましょう」。まだ何も決まっていない段階でもかまいません。秋田市・潟上市・能代市で家づくりをお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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- 不動産会社の私が、なぜ「建築家と建てる家」を選んだのか……対話から設計する家づくりの背景
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あしたのいえ(秋田セントラル不動産株式会社)について
秋田市保戸野を拠点に、不動産の売買・仲介から注文住宅、分譲住宅、中古リノベーション、リフォームまでを手がけています。注文住宅ブランド「あしたのいえ」では、建築家と対話を重ねながら、ご家族ごとに違う暮らしの形を住まいにしていきます。対応エリアは秋田市を中心に潟上市・能代市などです。
私たちの4つの強み
- 建築家と建てる家……対話から始め、ご家族の暮らしに合わせて設計します
- 長く安心して住める備え……耐震等級3を標準とし、高耐震・高断熱パネルと長期優良住宅の考え方を土台にしています
- 土地探しからのお手伝い……不動産会社として、土地の見極めと資金計画を一緒に考えます
- 引き渡したあとのお付き合い……アプリ「マイホム」でチャットでもご相談いただけます
予算の配分から、ご相談ください
まだ何も決まっていない段階でも、ご予算の置き方だけのご相談でもかまいません。
秋田市・潟上市・能代市で家づくりをお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
よくいただくご質問
Q. 金利が上がったら、家づくりは見送ったほうがよいのでしょうか。
A. 一律に見送ったほうがよい、とは申し上げられません。金利は上がることも下がることもあり、待っている間にご家族の状況も動きます。私たちは「まずご自身の入居したい時期を決めて、そのうえで使える制度があれば使う」という順番をおすすめしています。金利は判断の材料のひとつで、順番を入れ替える理由にはならないと考えています。
Q. 予算を調整するなら、広さと仕様のどちらを先に見直すべきでしょうか。
A. 先に広さ、あとから仕様、の順でご相談いただくことが多いです。床面積は建物価格の土台にあたる部分で、一坪分を見直すと基礎から屋根まで全体に効きます。仕様のほうは、住みながら入れ替えられるものと、あとから変えにくいものが混ざっています。どこを残すかから考えると判断がぶれません。
Q. あとから変えにくいので削らないほうがよいものは何ですか。
A. 構造と断熱です。私たちは耐震等級3を標準とし、高耐震・高断熱パネルを用いています。省令準耐火構造や24時間換気も土台にしています。これらは壁の中や床下に入るもので、暮らし始めてから入れ替えることが実際には難しい部分です。見えないところから先に決めていただくようお伝えしています。
Q. 建築家と建てると、かえって費用がかかるのではないでしょうか。
A. 同じ床面積でも、どこに手をかけてどこを素直につくるかで仕上がりは変わります。対話を重ねて優先順位を決めていくこと自体が、予算の配分を整える作業だと考えています。要望をすべて足していけば金額は伸びますので、足す前に順番を決めるご相談から始めています。
Q. 完成した家を見てから決めることもできますか。
A. できます。私たちの分譲住宅は、注文住宅の会社がつくる分譲住宅です。注文住宅と同じ設計の考え方でつくっていますので、広さや天井の高さ、収納の量を体で確かめる入り口としてご覧いただけます。そこで見えてきたことは、あらためて注文住宅のご相談で形にしていきます。
参考にした公的情報
- 住宅金融支援機構【フラット35】最新の金利情報(2026年10月5日確認)
- みらいエコ住宅2026事業「注文住宅の新築の交付申請(予約を含む)の受付を開始しました。」(2026年10月5日確認)
- みらいエコ住宅2026事業「新築住宅を対象とした補助金の予算上限額の設定について」(2026年10月5日確認)
※金利・制度の内容は確認日時点のものです。記事中の返済額は当社による試算で、実際の金利や諸費用はお借入先によって異なります。お手続きの際は必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。
あしたのいえ 秋田セントラル不動産株式会社 船尾 教司