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雪はどこに置きますか。秋田の冬支度から考える、敷地の使い方と家づくり

こんにちは。あしたのいえの船尾です。

9月が終わろうとしています。現場を回っていると、朝の空気がはっきり変わってきました。この時期になると、私たちの段取りは一斉に冬へ向きます。秋田で家をつくる会社にとって、秋は「冬をどう越すか」を決める季節です。

今日は、その現場の近況と、家づくりの最初のほうで決めておきたいことをひとつお伝えします。それは雪の置き場所です。雪をどこに置くかは、間取りを描く前に決めておいたほうがいいと私は考えています。後から動かせないものだからです。

この記事のポイント

  • 秋田市の年間降雪量の平年値は273センチです。その雪をどこへ寄せるかは土地ごとに違うため、間取りより先に敷地の使い方から考えます
  • 秋田市は敷地から道路へ雪を出さないよう案内しています。自分の敷地の中に雪の置き場所を確保しておく必要があります
  • 駐車場から玄関までの動線は、冬になると使える幅が変わります。除雪のしやすさは建物と駐車場の配置でほとんど決まります
  • 屋根から落ちる雪の向きは、隣とのお付き合いに関わります。境界側へ落とさない形を、最初の図面で決めておきます

目次

  1. いま現場では何が起きているのか?
  2. なぜ「雪をどこに置くか」を間取りより先に決めるのか?
  3. 駐車場から玄関までは、冬にどう変わるのか?
  4. 屋根の雪と、隣との境界はどう考えればいいのか?
  5. 日照の少ない秋田の冬に、暖かさと明るさはどう確保するのか?
  6. いまから動くなら、どの順番で考えればいいのか?
  7. まとめ:雪の置き場所は、暮らしの置き場所

いま現場では何が起きているのか?

9月の現場は、季節の切り替えの真ん中にあります。基礎を終えて上棟を待つ現場、上棟を終えて屋根と外壁を閉じにかかっている現場。毎年この時期は、私たちの段取りが一斉に「冬をどう越すか」へ寄っていきます。

工事のうえで大きいのは、屋根と外壁が閉じたかどうかです。外まわりが閉じてしまえば、内部の工事は冬でも進みます。逆に影響を受けやすいのは、基礎工事の養生、外部足場を使う工事、そして外構です。駐車場の舗装や境界の塀、植栽は、雪が消えるまで手をつけられないことがあります。

ですから、秋から冬にかけて着工する計画では、お引き渡しの時期と外構の仕上がる時期を分けてお伝えするようにしています。「住みはじめてから春に外構が仕上がる」という進み方は、秋田では珍しくありません。あらかじめ申し上げておかないと、ご不安になる話だと思っています。

あわせて秋は、見学会の季節でもあります。完成見学会や住宅ローンの説明会のご案内はイベントページに掲載しています。実際に建った家を見ていただくと、図面では伝わりにくいところが一度で伝わります。

なぜ「雪をどこに置くか」を間取りより先に決めるのか?

気象庁の平年値では、秋田の降雪量の合計は年間で273センチ、最も深く積もるときの平年値は22センチです(1991年から2020年の平年値。2026年9月28日に確認)。降りはじめは11月で、12月に58センチ、1月に100センチと増えていきます。融けながら積もるので全部が残るわけではありませんが、玄関前と駐車場に降った雪は、毎年必ずどこかへ寄せることになります。

そして、その行き先は道路ではありません。秋田市は「道路へ雪を出すことは絶対におやめください」と案内しており、除雪後の道路へ敷地から雪を出すことは道路法違反にあたるとも記載しています。作業の遅れや事故につながるからです。つまり、雪の置き場所は自分の敷地の中に要る、ということになります。

だから私たちは、建物の位置を決める段階で、雪をどこへ寄せるかを先に置きます。北側の細長い余地、駐車場の奥、境界から離れた一角。どこか一か所でも「ここへまとめられる」と決まっていれば、冬の朝の作業はぐっと軽くなります。

建物を敷地の端まで寄せて、残りを広い庭に使う計画は気持ちのよいものです。ただ、寄せ場のないまま冬を迎えると、その広い庭のどこへ雪を置くかで毎年悩むことになります。庭の使い方と雪の置き場所は、同じ図面の上で一緒に考えたほうが確実です。

駐車場から玄関までは、冬にどう変わるのか?

冬の駐車場は、雪の分だけ狭くなります。2台分をぴったり確保した計画だと、寄せた雪に押されて実際には1台半しか使えない、ということが起こります。台数の数字だけでなく、寄せる余白まで含めて見ておきたいところです。

玄関までのアプローチは、短いほど楽になります。ただし短さだけを追って、屋根から雪が落ちる真下に玄関を置いてしまうと逆効果です。除雪する距離を縮めることと、雪が落ちてこない場所を選ぶことは、別々に満たす必要があります。

秋田市は路上駐車をしないようにも呼びかけています。1台の放置車両があるだけで除雪車が通れなくなり、町内全体に影響が出るためです。敷地の中に確実に停められる台数を確保しておくことは、ご家族の都合であると同時に、ご近所への配慮でもあります。将来お子さんが車を持つ可能性まで含めて台数を考えておく方もいらっしゃいます。

もうひとつ、秋田市は段差解消プレートや敷鉄板を取り外すようにも案内しています。除雪車による破損や危険を防ぐためです。であれば、そうした物を置かなくてすむように、玄関前や駐車場の段差そのものを設計の段階で減らしておくほうが、毎年の手間が減ります。除雪機やスコップ、長靴の置き場も、玄関の土間か物置に最初から見ておきます。

屋根の雪と、隣との境界はどう考えればいいのか?

屋根の形を決めるときに、私たちが必ず確かめるのが雪の落ちる向きです。落ちる先が境界に近いと、隣の敷地へ雪が入ってしまうことがあります。これは工事のあとから直すのが難しく、しかも毎年のことになります。

ですから、落雪は境界から離れた自分の敷地側へ向けることを、最初の図面で決めてしまいます。そのうえで、物置やカーポート、給湯器といった外に置くものの位置を、落雪の下にならないように動かします。玄関と窓の上も同じです。

隣がまだ空き地の場合も、いずれ家が建つ前提で考えます。今は何もなくても、数年後に建物が近づいてくることは十分にあります。そのときに「うちの雪がお隣へ落ちている」という状態になっていないか。先に見ておけば済む話です。

屋根の雪は、性能の話というより、お付き合いの話だと思っています。長く住む場所ですから、毎年の冬に気まずさが残らない形にしておきたい。図面の段階で30分ほどお話ししておけば、そのあと20年ぶんの気が楽になります。

日照の少ない秋田の冬に、暖かさと明るさはどう確保するのか?

秋田の冬は、寒いだけでなく暗い季節です。気象庁の平年値では、秋田の日照時間は10月の143.1時間から11月に83.2時間、12月には45.3時間まで減ります(2026年9月28日に確認)。8月の186.9時間と比べると、12月はおよそ4分の1です。

少ないからこそ、入ってくる分をどう使うかが効いてきます。私たちのコンセプトのひとつであるパッシブ建築は、「自然が持つ力を最大限に活かす」考え方です。冬の低い日差しがどこまで室内に届くかを見て、窓の位置と大きさを決める。同じ暖房で家の中の温度差が小さくなるほど、冬の暮らしは軽くなります。

そのうえで、私たちは高耐震・高断熱パネルを用い、耐震等級3を標準としています。長期優良住宅の考え方や24時間換気、省令準耐火構造も土台にしています。数字を並べてご説明するより、実際に建った家で冬の室温の感じ方を確かめていただくほうが早いと思っています。

照明の考え方は別の回でお話ししました。冬の夜は長いので、天井の照明ひとつで全体を明るくするより、必要な場所を必要なだけ照らすほうが落ち着きます。昼の日差しと夜の灯りは、どちらも家具の位置と一緒に考えるものです。

いまから動くなら、どの順番で考えればいいのか?

ここまで冬の話をしてきましたが、順番はいつも同じです。まずご自身の入居したい時期を決めて、そのうえで使える制度があれば使う。この順番だけは崩さないようにしています。

秋田では外の工事が季節に左右されるため、逆算する幅を少し広めに見ておく必要があります。どの季節に住みはじめたいかが決まると、着工の時期と外構の時期が自然に決まり、そこから土地探しと資金計画の締め切りが見えてきます。この考え方は冬から逆算するスケジュールの回で詳しくお話ししました。

制度の話も事実としてお伝えしておきます。みらいエコ住宅2026事業は、注文住宅の新築について、予約申請が申請開始から遅くとも2026年11月16日まで、本申請が遅くとも2026年12月31日まで(いずれも予算上限に達した場合は当該時点まで)と示されています。ただし住宅の区分によって期限が異なるため、ご自身の計画が該当するかは公式サイトでご確認ください。住宅ローンでは、【フラット35】の最低金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)が、2026年9月28日に公式サイトで確認した時点で2026年9月資金受取分の年3.460%でした。

こうした期限や数字は、急ぐ理由にはしないでいただきたいと思っています。時間軸が先に決まっていれば、制度は「合えば使う」ものになります。逆に制度に合わせて時間軸を動かすと、あとから無理が出てきます。

冬の時期に家を見ておくのも、判断の助けになります。私たちの分譲住宅は、注文住宅の会社がつくる分譲住宅です。注文住宅と同じ設計の考え方でつくっていますので、完成した家で私たちの家づくりを体感していただく入り口としてご覧いただけます。そこで「自分ならどう住むか」が見えてきたら、あらためて注文住宅のご相談で一つずつ形にしていきます。

まとめ:雪の置き場所は、暮らしの置き場所

雪をどこに置くかという話は、雪の話に見えて、実は暮らしの話です。12月から3月まで、玄関を出るたびに向き合うことになります。だからこそ、間取りを描く前の、まだ敷地の使い方を決めている段階でお話ししておきたいのです。

屋根の向き、駐車場の余白、寄せ場の一角。どれも図面の上なら動かせます。建ってしまうと動かせません。この順番を守るだけで、冬の朝の負担はずいぶん変わります。

建築家と建てる家は、そうしたお話から始まります。まだ何も決まっていない段階でもかまいません。秋田市・潟上市・能代市で家づくりをお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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あしたのいえ(秋田セントラル不動産株式会社)について

秋田市保戸野を拠点に、不動産の売買・仲介から注文住宅、分譲住宅、中古リノベーション、リフォームまでを手がけています。注文住宅ブランド「あしたのいえ」では、建築家と対話を重ねながら、ご家族ごとに違う暮らしの形を住まいにしていきます。対応エリアは秋田市を中心に潟上市・能代市などです。

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よくいただくご質問

Q. 雪の置き場所は、どのくらいの広さを見ておけばいいですか。

A. 敷地の形や間口、屋根のかけ方でずいぶん変わるため、一律の面積はお答えしにくいのが正直なところです。秋田の年間降雪量の平年値は273センチですが、融けながら積もるので全部が残るわけではありません。玄関前と駐車場から寄せた雪を、境界から離れた一角にまとめられるかどうか。その一角を図面の上で先に確保しておくのが確実です。

Q. 道路に雪を出してはいけないのですか。

A. 秋田市は「道路へ雪を出すことは絶対におやめください」と案内しており、道路法違反にあたるとも記載しています。除雪後の道路へ敷地から雪を出すと、作業の遅れや事故につながるためです。路上駐車も、除雪車が通れなくなる原因として挙げられています。詳しくは秋田市の公式サイトでご確認ください。

Q. 冬に着工すると、工事は止まってしまいますか。

A. 全部が止まるわけではありません。屋根と外壁が閉じたあとの内部の工事は、冬でも進みます。影響を受けやすいのは基礎工事の養生、外部足場を使う工事、そして外構です。駐車場の舗装や植栽は雪が消えるまで待つことがあるため、お引き渡しの時期と外構の仕上がる時期を分けてお伝えしています。

Q. 秋田の冬は日照が少ないと聞きます。設計でどう補うのですか。

A. 気象庁の平年値では、秋田の日照時間は10月の143.1時間から11月83.2時間、12月45.3時間と減っていきます。少ない日差しをどこまで室内へ入れるかを、窓の位置と大きさで考えます。自然の力を活かすパッシブ建築の考え方を土台に、高耐震・高断熱パネルと耐震等級3を標準とした造りを組み合わせています。

Q. いま動くべきか、制度の期限を待つべきか迷っています。

A. まずご自身の入居したい時期を決めていただくのが確実です。そのうえで使える制度があれば使う、という順番にしています。みらいエコ住宅2026事業は注文住宅の新築について申請の期限が示されていますが、住宅の区分によって期限が異なります。金利も制度も内容が変わることがありますので、各公式サイトで最新をご確認ください。

参考にした公的情報

※金利・平年値・制度の内容は確認日時点のものです。金利や制度の要件は変更されることがあります。お手続きの際は必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。

あしたのいえ 秋田セントラル不動産株式会社 船尾 教司

この記事を書いた人

船尾 教司/秋田セントラル不動産株式会社「あしたのいえ」代表取締役

建築家と建てる家=注文住宅を中心に、不動産売買から分譲住宅・リフォームまで地域密着で取り組んでいます。秋田市保戸野を拠点に、秋田市・潟上市・能代市などで家づくりのお手伝いをしています。会社概要はこちら/ブログ一覧はこちら

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